大学院入試のあれこれ

大学

大学院入試(院試)は大学入試と比べると経験する人が少ないと思います。今回は大学院入試について経験したことを書いていこうと思います。

スポンサーリンク

大学院入試とは

大学院入試とは名前の通り大学院に通うための入学試験です。

大学院とは大学とは異なり、研究に重きを置いている学術機関です。大学は卒業することで学士(bachelor)という学位を取得できるのに対して、大学院では修士課程(博士前期課程)を修了すると修士(master)、そのあとの博士後期課程を修了すると博士(doctor)という学位を取得できます。

日本では修士課程は通常2年間、博士課程は通常3年間となっています。

私の場合の大学院入試

私は4回生になるときの研究室配属で無事に第一希望の研究室に配属されました。多くの理系の場合このタイミングから研究を始めるため、もし研究をしっかりとやろうと思うと卒業までの1年しかなく短すぎるということもあり、多くの人が大学院に行くのではないでしょうか。

私の場合も研究室に配属される前から大学院には行くだろうなと思っていました。実際に研究室も第一志望のところに決まり、大学院に進学することを決めました。

大学院入試までにやったこと

私の場合は研究室に4回生になるときに配属されて、大学院でも学部と同じ研究室を志望しました。

大学院入試は8月始めにあります。試験内容は英語、数学、専門科目、口頭試問でした。英語はTOEFL iBTを受けてその結果を試験当日までに提出、残りを試験日に大学で試験を受けます。

4月まで

4月までは英語の勉強をしていました。英語はTOEFL iBTを受ける必要がありました。TOEFL iBTの場合は受けてから成績表が届くまで1ヶ月近くかかるので、早めに受けなくてはいけませんでした。

大学時代に英語の勉強は大学の講義、授業くらいでしかしていなかったため、単語帳から始めました。単語帳は大学受験に使っていたものから始めて、TOEFL用の単語帳も持っていたため、それもやっていました。

4月まではそれくらいしか勉強していなく、逆に今後忙しくなるかもということで、何度か旅行に行ったりして春休みを謳歌していました。

4月〜6月

大学院入試の本格的な準備を始めたのは4月に入ってからです。

5月と6月にTOEFL iBTを受けることにしていたので、それに合わせて英語の勉強をしていました。

研究室でゼミや輪講などもあったため、そのための勉強も並行して行う必要があり、大学院入試のための数学や専門科目の勉強はまだ始めていませんでした。

研究室の先輩方からは大学院入試は受かるでしょ、というように言われていましたが、専攻での倍率が2倍弱あることが分かり不安も出てきました。

7月〜

6月末にゼミの発表が終わり、輪講も7月にはなかったため、この頃から本格的に大学院入試の勉強を始めました。

数学は教科書を始めから解いてみたりして、基礎から勉強を始めました。

専門科目は今まで受けた講義のノートや教科書、過去問での勉強が主でした。

大学院入試の場合には過去問は手に入っても答えが手に入りにくいことが多いです。今いる研究室の大学院を受ける場合などには、研究室に先輩方が解いた過去問の解答があったりするので、外部から受験する人と比べて、勉強がしやすいことが多いです。

私の場合には学部と同じ研究室を受ける上で、研究室にある先輩方の過去問の答えがあるというよりも、同じ研究室の同期と一緒に勉強をして、分からないところなどを聞いたり、議論したりできたところが良かったと思います。一人で勉強をして塞ぎ込んでしまうとメンタル的にもきついと思うので、同期と一緒に勉強できたのは良かったです。

同じ研究室の席を奪い合う敵ではあった同期ではありましたが、同期全員合格することを目標に頑張りました。

外部から受けてくる人が前々から入試の対策をできるのに対して、内部の人は入試の対策を始めるのは遅いですが、このような入試の対策をしています。

8月始め

いよいよ大学院入試。

大学院入試は2日に渡って行われました。1日目が学科試験で、2日目が口頭試問です。

入試結果は数日で出ます。無事に同期全員研究室に合格しました。専攻の倍率が2倍弱あったので、専攻に受かり、研究室も同じところに全員受かって本当に良かったです。また、外部から同じ研究室に受かった人もいました。

大学院入試の難易度

大学院入試の難易度は年によっても、研究室によっても大幅に変化します。簡単に入れるところもあれば、倍率が高いところもあります。

大学院入試の場合、大学の学部に当たる専攻単位で募集が行われることが多いと思います。しかし、専攻単位の出願をする場合にも希望する研究室を選ぶ必要があります。

研究室の定員は数人程度のことが多く、学部からそのまま同じ研究室を希望する人の人数や、外部から受験する人の人数によってすぐに難易度が変わります。専攻の倍率が低くても、希望する研究室の倍率が高くなることもよくあります。

大学院入試に落ちてしまった場合

大学院入試を受ける人にとっては考えたくはなくても、考えておく必要があることです。もし大学院入試を落ちてしまった場合、大きく分けて3つの道があると思います。

1つは春にある大学院入試を受ける場合です。大学院の多くは夏に試験がありますが、春にも試験を行なっている大学院があります。もちろん春以外にもあるので、落ちてから再び大学院入試がまだ行われるところを探してみたりする人もいます。大学院によっては10月始まりの募集を行なっているところもあります。

2つめは院試浪人をする場合です。つまり、次の年の大学院入試を受けます。無所属にならないように、研究室に研究生として籍を置いといたり、留年を選択したりする場合があります。大学時代と異なり院試浪人する人は少ないです。

3つめは就活を選択する場合です。就活を院試後から始める場合には、周りはもう就活が終わっているため、留年を選択して次の年の就活をする人もいます。企業によっては大学院入試に落ちた人を取ろうとして、採用をまだ行なっているところもあるので、就活する場合も必ず留年しないといけないというわけではありません。

このように大きく分けて3つの道があると思います。もちろんこれ以外の道もあるので、自分のやりたいことと相談して決めるのがいいと思います。

大学院入試の時期について思うこと

多くの理系の大学院入試は夏休みに行われます。正直なところ、このタイミングの入試にはいくつかの問題がある気がします。それは入試のタイミングでは学生はまだ研究をほとんどはじめたばかりで、自分が研究に向いているか分からないため、入試の後に卒業研究を行なってみて自分が研究に向いていないと分かることもあると思うからです。

また、大学院入試に落ちてしまった場合の就活も難しい気がします。入試に落ちてから就活を始めようとすると、すでに周りは就活も終わっているため、そのタイミングからの就活は苦労が多いからです。

しかし、だからと言って他に大学院入試のいいタイミングがあるかというと、それも難しいと思ったりもします。卒業研究の後に入試がある場合には入試のための勉強と卒業研究の両立ができないからです。

つまり、大学院入試を受ける前に自分の将来についてちゃんと考えた方がいいと思います。自分が大学院入試を受けてみて、周りが大学院に行くから自分も行くというように、あまり考えずに大学院進学をしようとする人が多くいたように感じます。

もちろん大学院進学を否定しているのではなく、研究をしてみたい人にはぜひ大学院に進んでもらいたいと思います。私自身も研究は忙しいですが楽しく、充実しています。

経験して思ったこと、アドバイス

まだ大学院入試まで時間がたっぷりある人にはまず、英語を継続的に勉強をしておくことをお勧めします。

多くの人は大学院入試を受けるときには大学生だと思います。大学生は多くの場合大学受験の時に英語の勉強をしていますが、大学では英語の勉強を継続せずに英語力の低下が起きます。しかし、大学院入試では英語ができるとアドバンテージになるだけでなく、研究を行う上で英語は必須です。理系の場合は本当にたくさんの英語の教科書や論文を読んだりと研究を始めると英語を使う機会が格段に上がります。

正直私も4回生で研究室に入るまでは、研究を始めてこんなにも英語を使うとは思っていませんでした。英語はあくまでもツールであり、英語ができるのは前提として研究生活が始まります。英語力はすぐにつくものでもなく、サボっているとどんどん低下してくものだと思うので、継続的に英語の勉強をしておけば良かったと後悔しています。

大学院入試は思っているよりもちゃんと勉強をしました。先輩方からは余裕だとか、みんな受かるだとか言われますが、そんなことはありません。しかし、大人気な研究室とかでなければ、ちゃんと勉強すれば受かるくらいの難易度だと思います。

私も大学院入試で勉強をしたことで、数学を基礎から勉強し直し、線形代数や微分積分学の理解が深まりました。大学院で本格的に研究を始める前に基礎を勉強し直す良い機会だったと思います。

これから大学院入試を受ける人は頑張ってください。