京都大学工学部電気電子工学科の生活(3-4回生編)

京大生

電気電子工学科(電電)での生活について、在籍する学生目線で書いていきます。

3から4回生は研究室に配属される大事な時期です。今回はそのような学部後半の3-4回生編です。

1-2回生編はこちらです。

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3回生

3回生で一般教養科目を取り終えている人だと、講義は専門科目のみとなります。専門科目は試験勉強が大変なものが多いので、出来るだけ早めに一般教養科目の単位を揃えとくと試験期間が多少楽になります。

3回生から4回生になる時に研究室配属が行われます。研究室配属に必要な単位が一般教養科目と専門科目でそれぞれ決められているので、3回生後期までにその単位を揃えることができなければ留年となります。

3回生はこの研究室配属に必要な単位数に気をつけながら、単位を集めていきます。3回生の内に、卒業研究以外の卒業に必要な単位を集めきると4回生になった時に楽です。4回生の試験期間は前期は大学院入試、後期は卒業研究と時期がかぶるため、卒業に必要な単位は出来るだけ3回生で取りましょう。

しかし、4回生前期の専門科目は3回生までよりも取得しやすかったり、試験がないものも多いので、単位が足りなくても焦る必要はありません。

専門科目

3回生になると専門科目ばかりで、全部取ろうとすると非常に大変です。

前期は金曜の実験を除くと、毎日平均で3科目講義があることになります。講義を受けるのは大丈夫でも、試験が大変です。

私の場合、電子系、電気系、情報系どの研究室に行きたいかを考えて、それに必要な分野の講義を取ることにしました。情報系か電気系に進もうと決めていたので、情報系と電気系の講義を取り、電子系の講義はほとんど受けない形で前期は過ごしました。

前期の専門の講義全ての単位を取ると、3回生前期の時点で卒業に必要な単位をほとんど揃えることができます。

私の場合、後期はサークルが忙しい時期であることが分かっていたので、前期までにしっかり単位を取りました。後期は実験を除いて、週に4コマくらいだけ講義に出ていました。このくらいの講義数だと、集中して勉強ができるため、研究室配属のために専門科目の成績をあげやすかったと思います。

3回生は専門科目がたくさんあるため、前期に多めに単位を取って、後期を暇にすることもできますし、前期、後期と電子系、電気系、情報系の行きたい系の講義を中心に取るということもできます。3回生まで遊んできて単位が足りない人も、3回生で頑張れば単位を揃えて留年を免れることできます。留年間際から、後期に一般教養科目含めて37単位取り、無事に研究室配属された友人もいました。

実験

3回生は金曜日に昼休みを挟んで1から4限まで実験です。2回生までと同様に4人の班に分かれて実験をします。その日の分の実験が終わった班から帰ることができるので、相変わらず班員に恵まれるかどうかが重要です。もちろん必修なので取らなくては研究室配属されません。

私の時には3回生後期の実験はそれぞれの班が2つのグループに分かれて、その2つのグループは異なる3つ(電子系、電気系、情報系)の実験をしました。2つのうちのどっちかが大変だとかで文句が出てたりしましたが、個人的にはやりたい方の実験のグループで良かったです。このグループ分けも班分け同様に運の要素となるので、決められた運命を受け入れてやるしかないです。

1-2回生編でも書きましたが、実験レポートは指定は特にありませんでしたが、卒業論文の練習としてLaTeXを使ってみても良いと思います。

研究室配属

研究室配属に必要な単位が揃っている人は、研究室配属が3月に決まります。私の時には3月16日に発表がありました。日にちは年によって異なると思います。

研究室配属のための説明会は2月の中旬に行われます。1日で約40研究室の説明を一気に聞くことができます。昼休みを挟んで7時間もの間講義室にいると疲れますが、普段聞くことのなかった電気電子工学科の研究室の様々な研究について聞くことができました。

例年、その日の夜には交流会が開かれ、立食形式で多くの研究室の教授と話すことができます。直接教授と話すことで、どのような雰囲気の教授なのかを知ることができたり、周りを観察することで、他の人がどこの研究室を志望しているかを知ることできます。私の場合には、この交流会で興味があった研究室の教授と話してみて、自分と合わなそうだなと思ってその研究室の志望順位を落としました。このようなこともあるので、交流会に行くことはおすすめします。

研究室説明会の次の日から数日間は、研究室見学の日程が用意されます。電子系の研究室の日や、電気系の研究室の日、宇治の研究室の日、吉田の研究室の日が大まかに決められていて、実際に研究室を訪れて、どのような設備があるか、どのような学生がいるのかを見ることができます。日程が合わなければ、直接研究室の教授にメールで連絡することで、他の日に研究室見学することも出来るので、興味がある研究室には実際に行ってみることをおすすめします。

私の場合には、教授が自分と合うか、先輩となる学生がどのような人であるか、研究室の学生居室の雰囲気なども志望順位を決める時に参考にしました。これから数年間過ごすかもしれない研究室の人間関係や居室の状態は重要だと思うのでじっくり見るといいでしょう。

第7希望までの研究室の志望を書いた紙を提出して、第7希望までの全ての研究室に配属されなかった場合は、教務よりメールが送られてきます。定員の空いている研究室の中から志望順位を再び決めます。

最終的に3月中旬頃に研究室の配属が発表されます。

4回生

無事に研究室に配属されると、4回生から研究室生活が始まります。4回生の生活は研究室ごとに大きく異なると思われるので、私の場合について書いていきます。

前期

卒業に必要な単位が足りない場合には、どんどん集めていきます。4回生向けの講義もあり、取ることもできます。私は単位が足りていましたが、研究室の教授が担当の講義を教授から出るといいと言われたので、前期に1コマだけ講義を受けていました。

研究室では週1回ゼミ(研究会)があり、学生や研究員が自分の研究を発表します。ゼミは研究室の人全員参加です。また週1回、研究室の4回生と修士1年生とで輪講があり、研究に関する教科書を読み進めていきました。

よって、前期は週に1日が講義、1日がゼミ、1日が輪講という形で、それ以外の日は自由でした。自由とは言っても、ゼミや輪講の発表の準備や、大学院入試のための勉強をやっていたため、そこまで暇ということはありませんでした。

大学院入試

大学院入試(院試)は8月に行われました。電電の研究室を受ける場合、工学研究科情報学研究科エネルギー科学研究科と研究室によって所属の研究科が異なるため、日程や試験内容は異なることがあります。

例年工学研究科と情報学研究科は8月初旬の同日に院試が行われるので、併願はできません。

京大以外の大学院を受ける場合には、早めに調べておきましょう。院試では英語の点数としてTOEFLやTOEICを使う大学院もあり、それらの試験は受けてから結果が出るまで時間がかかることがあります。

詳しくはこのページをご覧ください。どのような時期にどんな勉強したかが書かれています。

卒業研究

卒業研究は大学生活の総括とも言える労力のかかるものです。どのように進めるかは研究室によると思いますが、私の場合について書いていきます。

研究テーマは5月ごろに教授との面談でいくつか案を提示されて決めました。自分でやりたいことがあれば言ってくれということでしたが、いきなり言われてもどのようなことが出来るかもわからなかったため、提示された中でやりたいものを選びました。

その後、6月のゼミでどのような卒業研究をやるのかの大まかな計画についての発表をしました。この発表が終わると院試勉強のため、数ヶ月のお休みです。

9月の中旬頃からゼミも再開して、自分の研究も始まります。私の場合は先行研究があったため、その実装から始まりました。先行研究の論文を参考に実装するだけですが、ちゃんとした機械学習の実装をしたことがほぼなかったため、開発環境の構築や、Deep Learningのフレームワーク選びから始めました。新しいデスクトップのパソコンにUbuntuを入れて、Nvidiaのドライバーやcudaを入れるだけでもなかなかうまくいかず、2日くらいかかったりしました。

12月くらいにはプログラムも動くようになり、オリジナリティを作り出すために色々試行錯誤を始めます。

私の研究室では12月末に卒業論文をどのような構成で書くのかの発表を行います。それに合わせて論文の構成も決めていきました。

1月になり、2月始めの提出に向けて論文を書き始めました。まだ実験結果が完全には出ていなかったため、論文執筆と並行して実験は続けます。論文の書けるところを書きながら、時間のかかるプログラムも走らせてました。

結局私の場合には最終的な実験結果が出たのは提出の週の5日前くらいでした。そこから論文を書き終えて、先輩や、研究員の人、教授の添削を5回くらい受けて、卒業論文の最終版が完成しました。

卒業論文提出は9時から10時までの1時間で、直接出しに行く必要があります。指定されている形式を逸脱している場合には提出時間内の再提出が求められる場合があります。事前に形式に沿っているのかを確認が重要です。

私の研究室では4回生は前日から研究室に泊まって、久しぶりに一緒に遊んだりしながら提出に遅れないように徹夜して、研究室の同期で一緒に卒業論文の提出をしに行きました。提出が完了した時には達成感と徹夜後の高揚感で少し変な気分でした。

卒業論文の提出が終わってもまだやることがあります。試問会です。試問会は4分間で卒業論文の説明をして、5分間の質疑応答があります。4分間で卒業論文の全容を述べることはできないので、要点をまとめて、簡潔に説明をする練習を研究室で行いました。説明ではA4用紙片面2枚までを持ち込むことができます。卒業論文の内容を2枚にまとめ、4分以内に話すのは大変でした。

2月中旬の試問会が終わると、卒業研究も終わりです。研究、論文執筆は時間もかかり、大変でした。しかし、卒業論文は基本的には提出すれば合格すると言われていますので、そこまで気負わなくても大丈夫です。

時間をかけて行った研究や論文執筆は良い経験になったと思います。

まとめ

ここでは京都大学工学部電気電子工学科の生活の後半である3、4回生について書いていきました。

3、4回生は専門的な勉強や研究が始まり、学術の世界への導入となる大事な時期です。研究室がどこになるかは重要であるため、将来のことや、自分の興味、人間関係など色々考えて決めるのが良いと思います。

志望する研究室に行けるためにも、3回生までの講義で成績を取っておくがベストですが、配属された研究室が希望通りではなかったとしても、そこでの研究に興味が出てきて最終的には良かったという風になるかもしれませんし、そうでなくても大学院入試で他の研究室に移ることも可能です。

将来の道が決まるかもしれない学部の後半、色々悩むことも多いと思いますが、後悔しないようにじっくり考えて、やりたいことを見つけていけると良いと思います。