理系の私は卒業研究を行って、卒業論文(卒論)を書きました。
その中で見つけたり教わったりした、卒論を書く上でのtipsをまとめました。研究の基本である論文の検索方法から、論文を書くときの参考文献の書き方、TeXについて、執筆中の論文のバックアップについて書いています。
論文検索方法
論文検索には、Google Scholarを使います。もちろん大学図書館などの検索システムがあればそちらも使えます。
しかし、初めてGoogle scholarを使うとたくさん論文が出てきて、どの論文を読めばいいか分からないかもしれません。
Google Scholarでは「引用元」の横に数が書いてあり、それが被引用数(引用された数)になります。
どの論文を読めばいいのか分からない状況では、とりあえず被引用数が大きい論文を選んで読めば良いと思います。
参考文献(referense)の書き方、Google Scholarを使って
参考文献の書き方が分からないときや、BibTeXを使う場合にはGoogle Scholarを使うと楽です。
Google Scholarで論文を検索して引用したい論文の「”」を押します。
そうすると「引用」というのが出てきます。
MLAやAPA、ISO 690という形式の参考文献の書き方や、BibTeXを押せばBibTexのコードが出てきます。
Google Scholar内の同じ形式でもわずかに書き方の違いがあったりするので、最終的な調整はする必要がありますが、大まかな書き方が分かるので利用できます。
指定された参考文献の書き方があるのであれば、Google Scholarのこの部分を参考しながら指定されたように書けば、楽に参考文献を書くことができる思います。
Tex関連
理系の場合、卒論を書くのによくTeXを使うのではないでしょうか。TeX指定のところもあるかもしれません。TeXについてまとめます。
LaTeX環境はどうするか
私はLaTeXのローカル環境を作って、そこで卒論を書いていました。環境構築は少しめんどくさかったです。
Macを使ってAtomをエディタとして使って環境構築しました。TeXをAtomで書くための環境構築をMacでやってみる、【必見】Atomで作る快適な論文執筆TeX環境【Mac】【卒論】【LaTeX】などを参考にしました。
研究室ではoverleafを使って卒論を書いている人もいました。環境構築がめんどくさい人はそれでもいいのではないでしょうか。
デメリットは、overleafのサーバーが落ちたり、メンテナンスになったときに作業ができないことです。そこまで頻繁に起きることではないですが、提出直前とかで起きると嫌なので使いませんでした。overleafを使っていてもソースファイルをダウンロードしてれば他でローカル環境で続きの作業ができるので、そこまで大きな問題ではないです。
注意する点としては、overleafは無料プランでは,プロジェクトのリンクアドレスさえ知って入れば誰でも原稿を閲覧できる状態であるため、情報の漏洩などの危険性があります。
ファイル管理
後述しますが、私はTeXファイルをgitでバージョン管理していました。
TeXで卒論を書くとき、卒論の各章ごとに別のファイルを作っていました。こうするとバージョン管理がしやすいです。
main.texの\begin{document}以下はこんな感じです。
% 前略
\begin{document}
\maketitle % 表題を出力
\include{abstract} % アブストラクト
\tableofcontents % 目次を出力
\include{introduction} % 序論
% 中略
\include{method} % 提案手法
\include{experiment} % 実験,結果
\include{consideration} % 考察
\include{conclusion} % 結論
\include{acknowledgements} % 謝辞
\include{bibliography} % 参考文献
\include{appendix} % 付録
\end{document}
アブストラクトはabstract.texというファイルに、提案手法はmethod.texというファイルにというように書いていきます。
abstract.texをmain.texに入れる場合は、
\include{abstract.tex}
でも
\include{abstract}
でも大丈夫です。拡張子.texの省略ができます。また、
\include{hoge}
の代わりに
\input{hoge}
を使うと、改ページが入りません。
例えばmethod.texのファイルは
% !TEX root = main.tex
\chapter{提案手法}
\label{chap:method}
以下文章
のような感じです。
ここで
% !TEX root = main.tex
というマジックコメントは main.tex をルートドキュメントに設定してタイプセットの対象ファイルにしてくれます。詳しくはこちらに書いてあります。マジックコメントについてはこちらも参考になりました。
GitHubのprivate repositoryで卒論のバックアップ
学生以外もGitHubのprivate repositoryが無料で使えるようになりましたね。学生でなくても、誰でも無料できる方法です。
GitHubを使うといくつかのメリットがあります。 gitを使って卒論のTeXファイルのバージョンを管理ができること、それをGitHubのprivate repositoryに上げることで、バックアップができることです。また、私はやっていませんでしたが、GitHubで共同編集者になってもらった他の人に添削してもらいやすいというメリットもあると思います。
gitがよく分からなくても、卒論のバージョン管理くらいであればすぐにできます。
卒論のデータは、クラウドと、ローカルと、あと一つくらい他のクラウドか、usbメモリとかに保存しとけばデータが全部消えることはないでしょう。3つ以上別のところにバックアップするのが基本と研究室で言われていたので、頑張って書いた卒論が消えてしまわないように3つ以上別のところにバックアップを取りましょう。
まとめ
卒論を書いて学んだtipsについてまとめました。
論文の検索方法は研究の基本です。研究を始めたばかりの人はぜひ参考にしてみてください。
また、個人的にはGitHubのバックアップはおすすめです。git、GitHubを触ったことのなかった私も、卒論のバックアップを機にコードの管理などにもgit、GitHubを使い始めました。使ったことのない人もぜひ使ってみてください。